近年、慶應義塾では飲酒により塾生の命が失われる痛ましい事故が相次いで起きました。
 場を盛り上げるために集団で掛け声をかけて飲酒をあおる行為(いわゆる“コール”)に応えるイッキ飲みは、過度な飲酒の原因となり大変危険です。また、そうした飲み方をしていなくても、体調によって飲酒は健康被害をもたらします。新歓コンパや合宿時など、サークルの懇親会で飲酒をする場合は節度ある飲酒を行うよう心してください。また、言うまでもなく未成年者の飲酒は違法であり、することもさせることも許されません。慶應義塾は違法行為に対しては厳正に対処します。

以下、塾生の皆さんが知っておくべきアルコールに関する知識です。
(1) アルコールに関する知識(体内におけるアルコールの分解過程、日本人のアルコール耐性)
(2) アルコール・ハラスメント(アルハラ)とは?
(3) 酔いのメカニズム
(4) 急性アルコール中毒にならないために
(5) もし酔い潰れてしまったら(救護に関する知識)
(6) その他注意すべきこと 

アルコールに関する知識(体内におけるアルコールの分解過程、日本人のアルコール耐性)

<体内におけるアルコールの分解過程>
  アルコール飲料の主成分エタノールが体内に入ると、肝臓内の酵素作用で分解され、悪酔いや頭痛、動悸の原因となる有害物質「アセトアルデヒド」になり、さらにアセトアルデヒドは酢酸に変わり、最終的には二酸化炭素になって呼気とともに体外に出されます。このようにして体内のエタノール濃度は低くなっていきます。

<日本人のアルコール耐性>
  アセトアルデヒドを分解する酵素の遺伝的な構造の違いから日本人の約半数は、有害物質アセトアルデヒドを速やかに分解できず、約5%の人は全く分解できません。お酒に弱い人はアセドアルデヒドが高濃度で体内に残りやすく、少量の飲酒でも危険な状態に陥ります。

*遺伝的にアセトアルデヒドを分解できない人に無理やり飲酒をさせると、アセトアルデヒドの作用で死亡してしまうことがあります。飲めない体質の人、また飲める体質かどうかわからない人には絶対飲酒を強要しないでください。

*有害物質アセドアルデヒドを分解する機能が弱い、または分解できない人の割合
  日本人 約45%、 中国人 約40%、 韓国人 約30%、 タイ人 約10%
  ドイツ人 0%、 エジプト人 0%、 ケニア人 0%

  • 体質の特徴

    イッキ飲み防止連絡協議会ホームページへのリンク

アルコール・ハラスメント(アルハラ)とは?

 塾生の皆さんも「アルコール・ハラスメント(通称:アルハラ)」という言葉を一度は聞いたことがあると思いますが、その意味をきちんと理解していますか?嫌がる人に無理やりお酒を飲ませることだけがアルハラではありません。特に上級生やお酒が強い方、「私は誰にも飲酒を無理強いはしていない」「飲むのが嫌なら断ればいいじゃないか」と思っていませんか?
サークルの伝統として行われる飲み方は、得てしてアルハラの可能性が極めて高いです。断りにくい「空気」はないか?飲むことが当然というような「暗黙のルール」はないか?自分の身の回りに思いあたる場面がないか、思い返してみてください。
断りづらい雰囲気の中で飲酒をすすめることは事実上の「飲酒の強要」であり、アルハラです。

■アルコール・ハラスメントの定義
※次の5つのうち、ひとつでもあてはまったらアルコール・ハラスメント、人権侵害にあたります。

①飲酒の強要
②イッキ飲ませ
③意図的な酔いつぶし
④飲めない人への配慮を欠くこと
⑤酔ったうえでの迷惑行為

酔いのメカニズム

アルコールの体内の濃度(血中濃度)が高くなるにしたがって、酔いの程度が進行します。

■飲酒が脳に及ぼす影響の4段階

 ① ほろ酔い・・・大脳新皮質がマヒ <気持ちがほぐれる>
 ② 酩酊・・・・・・・マヒが大脳辺縁系に及ぶ <足元がふらつく>
 ③ 泥酔・・・・・・・大脳全体、脳幹や脊髄にマヒが広がる <酔いつぶれる>
 ④ 昏睡・・・・・・・呼吸機能を制御する延髄までマヒ <何をしても起きない(つねっても反応がない)>

 ※ ③泥酔になってしまったら、それは急性アルコール中毒です!
 

急性アルコール中毒にならないために

  急性アルコール中毒は血中アルコール濃度が上昇することにより起こり、酒に強い体質の人にも十分起こりうることです。血中アルコール濃度は「アルコールの量」と「飲むスピード」で決まります。自分はお酒に強いと思っている人が飲みすぎてしまい、急性アルコール中毒になるケースも多いのです。イッキ飲みをあおる「コール」は大変危険な行為であることを認識し、絶対に行わないでください。 また、体調が優れない時はもちろんのこと、部・サークル活動の直後や睡眠不足の時など、身体が疲れている時の飲酒も大変危険です。

上記(3)でも説明しましたが、酔いの症状は「ほろ酔い」⇒「酩酊」⇒「泥酔」⇒「昏睡」⇒「致死」と急変します。 

① 飲酒をしていて「同じ話を繰り返す」「となりの人にからむ」「呂律が回らない」「足元がふらつく」などの症状が出始めたら、それは酩酊状態です。これ以上になると泥酔、すなわち急性アルコール中毒です。このような人を見たら直ちに飲酒をやめさせ、急性アルコール中毒事故を未然に防ぐよう努めてください。

② 「酔いつぶれた」状態、すなわち泥酔状態の人は、嘔吐物を気管に詰まらせて窒息する危険があります。このような人を見たら必ず横臥させて、絶対に一人にはせず、周りの人が付き添って、すぐに病院へ連れて行くか救急車を呼んでください。

③ 身体を強く圧迫しても反応がなかったり、呼吸が弱いようであれば昏睡状態です。この段階になってしまった人は生命に関わる重篤な状態にいます。迷わずにすぐ救急車を呼んでください。

もし酔い潰れてしまったら(救護に関する知識)

  慶應義塾は急性アルコール中毒患者(泥酔者、昏睡者)を出すような懇親会は不適切であると考えます。しかし、もし万が一、友人が酔いつぶれてしまったら、必ず次の5つを行動をとってください。

①絶対に一人にしない
②体温の低下を防ぐ
③衣服を緩める(胸腹部を圧迫させない)
④横向きにさせ(回復体位を取らせ)、自然に吐かせる
⑤次の状態の場合は、すぐに救急車を呼ぶ

【すぐに救急車(119番)を呼ぶべき状態】
・大イビキをかいて、ギュッとつねっても反応がない。
・ゆすって呼びかけても、まったく反応がない。
・体温が下がり、全身が冷たくなっている。
・倒れて、口からあわをふいている。
・呼吸が異常に早くて浅い。または、時々しか息をしていない。

※これ以外にも「危ない」と感じることがあれば、すぐに救急車を呼んでください。救急車を呼ぶことに抵抗があるかもしれませんが、これは命に関わる問題です。

その他注意すべきこと

  急性アルコール中毒(泥酔や昏睡)に至らなくとも、ほろ酔いや酩酊の段階でも、高い所からの転落や、転倒、または交通事故に遭う危険性が高く、また、窃盗や性犯罪などの被害や喧嘩に巻き込まれることもあるので、十分に注意してください。
  以下のリンクも参考にして、事故のない安全な懇親会が行われることを願ってやみません。

   ※上記いずれも「イッキ飲み防止連絡協議会」のホームページに飛びます。